茶室とは

tea house

茶室そのものは露地と一体になって茶の湯に使われる、いわば「茶道具の一つ」です。茶室を設けるにあたっては、
茶事・茶会で使いやすいよう配置と設備を整えることとともに、草庵茶室の根底に流れる「侘茶」の心に留意することも大切です。
茶室には、使い勝手などの「用」だけでなく、つくり手の美意識や茶の湯の精神をあらわす「美」を兼ね備えていることが求められます。
淡交社建築部では、茶室、数寄屋建築、内装などのご相談もお受けしております。詳しくはページ下部のバナーよりお問い合わせください。

茶室を知る

茶室の理解を深めたい方へ
どこにどんな材料が使われているかが分かります。

詳しく見る

淡交社の手がけた茶室

茶室の一覧を見る

主要施工実績

昭和55年 茜庵新築工事 徳島市 第1回街づくりデザイン賞
昭和57年 安田火災大阪支店ビル内 茶室内装工事 大阪市 現株式会社損保ジャパン
昭和59年 松下電器産業株式会社グループ献納 神宮茶室造営工事 伊勢市
昭和60年 叶匠寿庵 寿長生(すない)の郷内 茶室新築工事 大津市 全国陶器河原工業組合連合会第6回甍賞
昭和61年 徳島市サギノー市日本友好園内 茶室新築工事 ミシガン州
昭和61年 札幌かに家本店 茶室内装工事 札幌市
平成元年 有馬グランドホテル内 茶室新築工事 神戸市
平成4年 鶴屋吉信本店 新築工事 京都市 第6回京都市都市景観賞
平成5年 新梅田シティウェスティンホテル内 茶室内装工事 大阪市
平成16年 仙台育英学園内 茶室内装工事 仙台市
平成18年 サントリー美術館内 茶室内装工事 東京都港区
平成20年 京都造形大学内 茶室内装工事 京都市
平成20年 シスメックス株式会社テクノパーク内 茶室新築工事 神戸市 一般見学不可
平成24年 京都青果配送加工センター内 茶室新築工事 京都市
平成26年 仙台育英学園内 茶室増移設工事 多賀城市
平成26年 京湯元ハトヤ瑞鳳閣ロビーホール 茶室新築工事 京都市
平成26年 堀場製作所びわこ工場内 茶室内装工事 大津市

茶室工事の流れ

住まいの茶室設計・施工パンフレットを見る(PDF:1.2MB)

  1. 1 情報収集

    1. 住まいに茶室をつくった先輩に聞く
    2. お茶会・茶室見学などを通してお気に入りの茶室を見つける
    3. 書籍やインターネットを見る、カタログなどの資料を請求する
    4. 専門家に聞く
  2. 2 「自分のつくりたい茶室」のイメージづくり

    1. どんな茶室がほしいのか、おもな使用目的を決める
    2. 生活空間と茶室の区分を検討する
    3. どこまで改装、改修できるか確認する
    4. 「自分のつくりたい茶室」が一望できる資料をできる限りまとめておく
  3. 3 資金計画

    1. 予算の上限を決める
    2. 支払方法を決める
  4. 4 業者依頼先の決定

    1. これまでの施工実績を確認する
    2. 施工した物件を見せてもらう
    3. 茶室施工に長けた業者かを確認する
    4. 設計者・施工者を決めたら用意しておいたスケッチ・要望書を渡す
    5. ラフプラン・見積もり・工事工程表の作成を依頼する
    6. 施工者に住まいの事前調査を依頼する
  5. 5 ラフプランと見積もりの確認

    1. 要望に沿っているか
    2. 予算内に収まっているか
    3. 主客の動線が混乱していないか
    4. 茶室の約束事が守られているか
    5. 収納の多さや水屋の配置など、使い勝手はよいか
  6. 6 設計プランの最終決定

    1. ラフプランに沿って詳細を決定する
    2. 使用する材料を確認・決定する
    3. 工事の施工法を確認する
    4. 工程を確認する
    5. 最終プランに沿って見積もりをとる
    6. 予算をオーバーする場合は仕上げ材のランク下げ、工期の分割などで調整する
  7. 7 工事請負契約の締結

    1. 契約金額、図面と見積もりの内容をしっかり把握する
    2. 使用材料の見本を確認する
    3. 工費支払い回数・時期を確認する
    4. 瑕疵保証期間等を確認する
  8. 8 着工、本工事

    1. 近隣住民に着工挨拶を行う
    2. 施工途中の現場の仕上がり、使用材料を確認する
    3. スイッチ、コンセント、電灯、換気、冷暖房、給排水の数や位置を確認する
    4. 必要があれば変更工事を依頼する
  9. 9 工事完了、引き渡し

    1. 図面通りの工事がなされているか、竣工後の検査に立ち会って確認する
    2. 工事代金を支払う
    3. アフターメンテナンスの仕方を確認しておく

よくあるご質問

  • q

    一人住まいになったので、お茶を楽しんで生活をしたいと考えています。
    下図のような3LDKのマンションに茶室を設けるにはどのようにしたらよいでしょうか?

    小間(図1)と広間(図2)の二案が考えられます。
    (1)小間(図1)の場合
    天井の高さは1メートル90センチ以上あればよいでしょう。本炉壇を設けるには、畳の上端より床下コンクリートまで最低限40センチが必要です。つまり小間席の場合、炉壇の底から茶室の天井まで2メートル30センチあれば問題ありません。
    (2)広間(図2)の場合
    天井の高さは2メートル10センチ以上必要です。つまり本炉壇を設けるには炉壇の底から茶室の天井まで2メートル50センチ必要になります。本炉壇にこだわらなければ、電熱炉だと床下20センチで設けることができます。

  • q

    茶室の畳寸法は1910×955ミリだそうですが、我が家の畳寸法は1800×900ミリです。
    この畳寸法で八畳敷きの和室は、茶室として不適格でしょうか?

    そんなことはありません。マンションサイズの畳寸法と、茶室で使われる京間畳に違いがあるのはよく知られているところです。また、マンションサイズも個々によって寸法に幅があります。茶室の畳は茶道具を置いたり点前のことを考えると、少なくとも点前座は京間の寸法にしておくと大変便利です。右図のように、点前畳の幅だけ955ミリにしておきましょう。

  • q

    自宅に庭のスペースがなく、茶事をするとき腰掛待合が設けられないのですが、何か良い方法はあるでしょうか?

    玄関先や玄関土間、廊下を腰掛待合に見立てられてはいかがでしょうか。茶事の進行によって椅子を置いたり片付けたりしなくてはなりませんので、軽量で折りたたみ式の椅子がよいと思います。また、それらを収納するスペースを近くにつくっておけば便利でしょう。マンションの場合、ベランダにスペースをとれるのなら、腰掛などが設けられます。

  • q

    マンションのなかにお茶室を設けています。昼間に夜咄の茶事のお稽古をしたいのですが、遮光できる建具はないでしょうか?また、居間が広いので、茶会時には間仕切りを使用したいのですが、障子を入れられない場合どんな工夫があるでしょうか?

    遮光の建具としては、木造住宅に設けている雨戸をアルミサッシの内側につけられるとよいでしょう。また、障子の代用として障子紙のブラインドがあります。現代住宅にもよく合うでしょう。可動間仕切りにも使える優れものです。

  • q

    マンションの入口、もしくはベランダに蹲踞スペースを設けたいのですが、排水のことも含め、どのような工夫ができるか教えてください。

    手や口を清める蹲踞は、大量の水を使うわけではありませんので、右図のような銅板の底板をつくって陶製の水鉢を置くとよいでしょう。底板には五センチほどの立ち上がりをつけて舟型にして、水がこぼれないようにします。底板に溜まった水は自然に蒸発しますので心配要りません。ただし大寄せでは注意してください。銅板が見えないよう、瓦や化粧砂利を使うなどして見栄えよくします。とくさやシダなどの緑をあしらうと、いっそう風情が増します。

参考図書

  • ほんとうに使いやすい茶室をつくる書影

    価格:2,970円(税込)

    詳しく見る

    ほんとうに使いやすい
    茶室をつくる

    戸建・ビル・新改築 タイプ別プラン13件

    ほんとうに使いやすい
    茶室をつくる

    戸建・ビル・新改築 タイプ別プラン13件

    茶室の設計・施工ノウハウ集。淡交社建築部が手がけた物件(一般住宅、店舗、学校、ビル内など)を、詳細図面と写真をふんだんに用いて紹介し、茶室建築のアイディアと約束事・知識を伝えます。茶室建築のプロは、どのような材を用い、どのようなディテールの仕上げをするのでしょうか。茶室を建てたい一般の方の研究にはもちろん、プロの施工業者のニーズにも応えます。淡交社内ビルに設けられた茶室の建設現場の模様を取材し、ルポ形式で紹介するページも収録します。

    価格:2,970円(税込)

    詳しく見る

  • 茶室手づくりハンドブック書影

    価格:1,980円(税込)

    詳しく見る

    茶室手づくりハンドブック

    はじめての茶の湯空間

    茶室手づくりハンドブック

    はじめての茶の湯空間

    住環境の変化によって畳を敷いた和室が減少している昨今、自宅に新しく茶室やお茶ができる場所をつくりたいと思ってもなかなか簡単には実現できないのが現状です。そのようななか本書では、空間的に制限の多いマンションや住宅において、誰でも手軽に茶の湯空間を創出できる工夫を紹介。自宅マンションに十分な機能を備えた茶室を低価格で営む岡本氏が、自らの工夫や体験を披瀝するとともに、茶室を持つことの素晴しさを語ります。茶室の基本と応用についての飯島氏の解説と併せ、「現代の茶の湯空間」づくりを提言する一書です。

    価格:1,980円(税込)

    詳しく見る

  • 自慢できる茶室をつくるために書影

    価格:1,430円(税込)

    詳しく見る

    自慢できる茶室をつくるために

    自慢できる茶室をつくるために

    茶の湯にかかすことのできない茶室だがいかにして使いやすく美しい茶室をつくってゆくか。門から玄関、露地、茶室、水屋に至るまで、寸法表示とイラストでわかりやすく解説する。茶室プランをお持ちの方々必読の一冊。

    価格:1,430円(税込)

    詳しく見る

  • 淡交別冊第49号 茶室をつくる書影

    価格:1,676円(税込)

    詳しく見る

    淡交別冊 第49号
    茶室をつくる

    茶の湯空間の工夫あれこれ

    淡交別冊 第49号
    茶室をつくる

    茶の湯空間の工夫あれこれ

    茶会や茶事、稽古の場として茶の湯にとって必要な茶室。昨今の住環境に鑑みると、理想の茶室を手に入れることは簡単ではありません。ビルやマンションで営まれた例や工夫の数々を紹介。現代の理想の茶室にせまります。

    価格:1,676円(税込)

    詳しく見る