【秋の定期購読スタートキャンペーン特別企画】『淡交』坪倉編集長×『なごみ』宮﨑編集長Interview

このたび『WEB限定 秋の定期購読スタートキャンペーン』に際しまして、『淡交』『なごみ』のことを少しでも多くの方に知っていただきたく、両編集長にインタビューを行いました。これを機に『淡交』『なごみ』の背景や、編集長の想いの一端を知っていただければと思います。

 

淡交】坪倉編集長インタビュー

「茶道と共に歩んできた日々についてお話を伺っていると、一碗のお茶が果たす役割の大きさを日々感じています。今後も、より多くの方々に『淡交』に登場していただき、『私たちの淡交』と思っていただけるようにしたいですね。」

◆プロフィールをお教えください。

父が呉服関係の仕事に携わっていたため、小さい頃から「和」の文化に興味を持っていました。日本史や日本の古典などに興味があったため、京都市内の大学に入学し、国文学を学びました。茶道と出合ったのはこの大学時代です。

大学入学を機に、長く趣味として続けられるものに出会えたら良いなと思っていたところ、茶道部の勧誘を受け、入部しました。今思うと、私の人生が決まった瞬間だったのかもしれません。

その後、まず点前手続きの美しさや合理性に魅了され、次いで、茶道具の美しさや作家の技術に圧倒され、織田信長や豊臣秀吉といった誰でも知っている歴史上の人物たちも茶の湯を楽しんでいたという歴史に興味を持つなど、あっという間に「茶の湯」という沼にはまってしまいました。

大学卒業後も茶の湯周辺の仕事に就きたいと願っていたところ、ご縁あって淡交社に入社し、『淡交』に携わらせていただくことになり、現在に至っています。

 

◆本誌について、歴史や成り立ちを教えてください。

『淡交』誌の創刊は昭和22年(1947)4月です。前年の昭和21年11月20日に開催された裏千家淡交会の支部長会議の席上での発刊の決議によるもので、まだ千政興と名乗っておられた鵬雲斎大宗匠が発行人を務められました。現在よりも一回り小さいB6判というサイズで、総ページは32ページでした。当初は淡交会の会員向けの配布誌でしたが、10号からは一般の方の手にも届くようになります。

詳細は、通巻900号を迎えた、平成30年(2018)10月号の特集をご覧ください。

『淡交』の歴史は75年ほどになりますが、明治41年(1908)10月には『今日庵月報』が創刊されました。茶道の流派の機関誌としては他流派に先駆けたもので、この『今日庵月報』が大正11年(1922)に『茶道月報』と名称を変え、受け継がれました。

『茶道月報』は太平洋戦争の戦火が熾烈を極めた昭和19年6月に休刊しますが、昭和21年、14代淡々斎宗匠の弟で、鵬雲斎大宗匠の叔父にあたる井口海仙宗匠と大宗匠とによって新しく『淡交』として新しくスタートをきったのです。

以来、75年以上にわたり、裏千家同門をはじめとする皆様にご宗家の様子は元より、茶道に関わる様々な情報を提供しています。

 

◆本誌の魅力を教えください。誌面全体としてどのような想いとこだわりをお持ちでしょうか?

『淡交』の読者は多彩です。茶道を始めて数か月の方から60年以上の方まで年齢も茶歴も幅広く、興味の対象も様々です。そのような方々、皆様にご満足いただける内容とするのは難しいですが、稽古や茶事・茶会をより充実したものとなるような『茶道』に関する様々な知識と情報を詰め込めるよう努めています。稽古場での会話に、少しでも取り上げて頂ければ幸いです。

また、『淡交』は、裏千家茶道を学ぶ同門の方々の雑誌だと考えております。そのため、より多くの方々に『淡交』の誌面にご登場いただきたく願っています。そのため、毎年テーマを替えながら、各地の先生方へのインタビュー記事を掲載しています。お一人お一人、茶道との出合いや付き合い方、茶道と共に歩んできた日々についてお話を伺っていると、一碗のお茶が果たす役割の大きさを日々感じています。

今後も、より多くの方々に『淡交』に登場していただき、『私たちの淡交』と思っていただけるようにしたいですね。

 

◆しいてオススメのコンテンツを上げるとすれば?

編集している立場からするとどれもがオススメにはなります。

今年の連載でいうと、連載4年目となる『ロバート キャンベルの名品に会いに行く』は連載開始以来、不動の人気を誇っています。キャンベル氏と各館の学芸員との対話が興味深く、挿図と相まって、あたかも自分もその場に同席しているようだ、とのご意見を数多く頂戴しています。茶道具の専門家ではない立場からの気付きや疑問、意見に毎月感心しています。

また、5月号から連載しています『禅茶録』もオススメです。大徳寺530世住持の泉田玉堂老師が『禅茶の道』を説く江戸時代の茶書『禅茶録』を解説されています。古くから「茶禅一味」といって、茶と禅とは一体であると説明されますが、禅の立場から茶の在り様を説く『禅茶録』は、令和の時代の私たちにも通じる示唆に富んだ内容です。禅に関する内容のため、些か難しく感じるかもしれませんが、是非読んでいただきたいと思います。

加えて、取材先などで読者の方々からお伺いするご意見の中で、良い意味で驚くのは『クロスワード』を楽しみにされている方が多いということです。『淡交』が届いたら先ず最初に『クロスワード』に取り組む方や、ご友人との会話でも『クロスワード』がよく話題にのぼる、という方がかなりおられます。また、問題の傾向の変化にも敏感なようで、「担当者が変わりましたか?」などのご意見をいただくこともあります。そのようなご意見を伺うと、『淡交』が皆さんに愛されているんだと実感され、とても嬉しく感じます。

 

◆定期購読の魅力について。定期購読で読者自身や生活をどのように変えることができるか?

『淡交』の読者は茶歴も幅広く、興味の対象も様々です。また、坐忘斎家元が「日本文化のポータルサイト」と仰られているように茶道は様々な日本文化を内包した総合文化です。そのため、茶人として知っておくべき知識は無限といっても良いでしょう。

『淡交』では、同じテーマであっても、論考中心にしたり、グラビアを多めにしたり、場合によっては表やイラストを駆使したり、様々な角度から紹介するように努めています。そのため、定期購読をしていただいた方が、「このテーマは何年か前にも取り上げてあったけど、こういう意味だったんだ」というように理解が深まるのではないかと思っています。読者の皆様からも『バックナンバーをもう一度読むことで理解が深まった』と、定期購読で『淡交』を読み続けることの効用をお伺いする機会も少なくありません。

◆今後、本誌で挑戦してみたいことは?

各分野で活躍されている方々に茶道を体験してもらい、新鮮な感想をいただくような企画を検討しています。茶席で薄茶を飲んでいただくだけではなく、茶事を体験していただいたり、茶道具や茶花、菓子、茶室など、茶道に関わる様々な要素に触れていただければと考えています。

そのためにも、特に若い世代に影響力のある方々に実際に茶道を体験してもらい、新鮮な驚きや前向きな感想を発信してもらえるような企画を計画中です。そして、可能ならば、その方々と、オンラインでも構いませんので、読者の方々との意見交換の場や茶席を共にする(画面越しですが)機会を設けることができればと考えています。

 

◆今後の掲載予定を教えてください。

特集でいえば、11月号では、今年、400年忌を迎えた織田有楽を取り上げています。織田有楽は誰もがご存じの織田信長の弟で、信長が本能寺の変で没した後は豊臣秀吉、豊臣家滅亡後は徳川家に仕えながら生き抜きます。茶の湯は、利休居士の七人の弟子にも数えらえる場合もあるなど堪能で、手掛けた茶室『如庵』は国宝にも指定されています。桃山時代を代表する茶人として高く評価されている一方、どんな茶の湯をしていたのかをご存知の方は多くないのではないでしょうか。今回、節目の年ということもあり、改めて有楽の茶の湯について迫っています。

続く12月号では、大阪や兵庫のやきものについて取り上げます。江戸時代、京都を中心に、各地でやきものが作られました。瀬戸や信楽、備前、唐津といったやきものの生産が盛んであった地域は別として、各地に京焼の職人たちが招かれ、やきものが焼かれました。大阪(大坂)でも例えば高槻藩には永樂保全が招かれて染付などを中心とした高槻焼が焼かれています。このほか、大坂で焼かれたものとして古曽部焼や桜井里焼、難波焼、吉向焼、湊焼、谷焼などを紹介します。また、丹波焼が有名な兵庫では、王地山焼や三田焼、東山焼、明石焼(朝霧焼)、出石焼など、各地で個性的なやきものがつくられました。このような、大阪・兵庫で作られた多彩なやきものを豊富な写真とともに紹介します。

また、残念ながら残り2回となった『ロバート キャンベルの名品に会いに行く』は、樂美術館所蔵の2作品が登場します。11月号では本阿弥光悦作の『白樂茶碗 銘 冠雪』、12月号では長次郎作の『黒樂茶碗 銘 面影』についてキャンベル氏と樂直入氏が語り合います。ご期待ください。

『淡交』バックナンバーはこちら>>

 


なごみ】宮崎編集長インタビュー

「読者の皆様の『うつわ』をより豊かに満たすべく、幅広いトピックを毎月ご用意しています。」

◆プロフィールをお教えください。

1980年、長野県高山村生まれ。2002年、同志社大学経済学部卒業後、淡交社に入社。書店営業、物販営業職を経て2007年に『淡交』編集部に配属。2014年、『なごみ』副編集長に就任。翌年編集長に昇格し、現在に至る。趣味は読書、独服、シードル醸造。

 

◆本誌について、歴史や成り立ちを教えてください。

『なごみ』は1980年、『茶のあるくらし』をコンセプトに東京で創刊されました。

『『なごみ』が登場したときは、衝撃的だった。それは真っ向から『現代』と向き合おうという編集方針に満ちていたからだ』(『なごみ』通巻350号より)――その時の印象を茶道美術史家の竹内順一先生はこのように振り返っておられます。

それから41年、小誌は茶の湯を中心とする日本文化を、幅広く、奥深く取り上げ続けています。

ちなみに現在も表紙に飾られている『和』という字は創刊の折、当時の裏千家御家元・鵬雲斎大宗匠から贈られたものです。

 

◆本誌の魅力を教えください。誌面全体としてどのような想いとこだわりをお持ちかでしょうか?

茶の湯の伝統が〝現代の日常〟のなかに生きる姿を紹介し、実践の仕方をわかりやすく提案することが『なごみ』の役割だと思っています。

また、『グラフィック茶道誌』として茶の美意識が誌面からダイレクトに伝わるようなヴィジュアルやデザインを大切にしています。

 

◆しいてオススメのコンテンツを上げるとすれば?

すべて『オススメ』と言いたいところですが(笑)、2021年の連載だと山崎ナオコーラさんの『未来の源氏物語』でしょうか。『古典文学の最高峰』という色眼鏡を外し、現代の社会通念をもって『源氏』を読む、という斬新な企画です。ジェンダー、マザコン、ロリコン、ルッキズム……11世紀の小説をさまざまな切り口から21世紀の今に引き寄せています。

ちなみに過去の連載はこのホームページで無料公開しておりますので興味のある方はぜひご一読ください。

 

◆定期購読の魅力について。定期購読で読者自身や生活をどのように変えることができるか?

書画、花、香、陶芸、漆芸、金工、懐石、菓子、建築、庭……あらゆる文化を受け容れられる大きな『うつわ』こそが茶の湯だと思います。『なごみ』は読者の皆様の『うつわ』をより豊かに満たすべく、幅広いトピックを毎月ご用意しています。

お茶のお稽古もまずは続けてこそ世界が広がり、深まるもの。四季折々のさまざまな『茶のあるくらし』を継続してご覧いただくことで日々の生活にもきっと潤いが生まれることでしょう。

◆今後、本誌で挑戦してみたいことは?

来年の3月25、26日に『なごみ』通巻500号記念茶会をセルリアンタワー東急ホテルで開催します。

濃茶席は現在『うつわの哲学』を二年にわたって連載中の大樋長左衛門先生。薄茶席では私をはじめとする『なごみ』編集部がお点前を担当します。読者の皆様をどうやっておもてなしするか、後見の北見雅子先生、お菓子をデザインしていただくはなさんと考えていきたいと思います。

 

◆今後の掲載予定を教えてください。

11月号は口切(新茶を保存しておいた茶壺の封を切る、大切な行事)に合わせて『故実からひもとく 茶の結び』、12月号は『茶道工芸の作家50人』という特集を組みます。

来年の1月号の特集は『千家十職のいま』。東村アキコさん(漫画家)、大原千鶴さん(料理研究家)などの期待の新連載が目白押しです。

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毎月、お手元に本が届くことで生活が豊かに変わるはず。『茶のあるくらし』をはじめるキッカケに。

2021年10月31日まで、淡交社ホームページからお申し込みいただいた方限定で『淡交』『なごみ』の定期購読のキャンペーンを開催中です。

『淡交』もしくは『なごみ』の2021年10月号~12月号までの3ヶ月分〈各号定価880円(税込)×3ヶ月分=2,640円〉を淡交社ホームページからお申し込みいただくと、先着100名様に淡交社オンラインショップでお使いいただけるクーポン(最大3,000円分)をプレゼントいたします!

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