山崎ナオコーラさん連載【未来の源氏物語】第5回「いわゆる『雨夜の品定め』」#4

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*イラストも筆者

平安時代の昔から現代まで、多くの人に愛されてきた『源氏物語』。

しかし、古代日本の価値観を背景に書かれた物語は、身分、見た目や性別による偏見が描かれ、

多様性を重んじる時代の価値観から見ると違和感を覚えることもあるでしょう。

そんな『源氏物語』を今の視点で楽しむには? 新たな「読み」の可能性を考えます。

 

第1回「どうやって時代を超える?」

第2回「見た目で判断していいの?」

第3回「『ロリコン』の読み方」

第4回「『マザコン』は悪いことではないけれど……」

 

 

第5回

「いわゆる『雨夜の品定め』


 

こんなふうに「雨夜の品定め」に絡めて「ホモソーシャル」のことを考えていたら、自分も無礼な行動の数々があったな、と思い当たり、反省しました。

 

友人と話しているとき、いい恋愛やいい結婚をしているという自慢話をしたら仲良くなってもらえないと思い込み、自分の恋愛や結婚を自虐的に、悪い話のように語ってしまうことがよくありました。

また、好きなタイプについて語るとき、その憧れの人に自分が釣り合うと勘違いしていると思われたくないため、お笑い芸人の方などのちょうど良い人を見つけて、その人の欠点を語ってしまうこともありました。

つまり、異性を悪く言ってしまうことが、私もあったのです。

 

雑談というのは難しいものですね。

光源氏みたいに、聞き役に回ることが一番安全なのかもしれません。

……うーん、でも、ちょっとずるいですよね。

 

黙っているのでもなく、頭中将みたいにペラペラ喋り過ぎるのでもなく、自然な会話ができたらどんなにいいでしょう。

自慢でも自虐でもなく、その場にいない人のことを誰も傷つけない話をうまくできるようになりたいものです。

しかし、私にはその道のりが遠く感じられます。

 

やまざき なおこーら|

作家。國學院大學文学部卒業。卒業論文は『「源氏物語」浮舟論』。

「誰にでもわかることばで、誰にも書けない文章を書く」が目標。近著に白岩玄との往復子育てエッセイ『ミルクとコロナ』。

 

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このエッセイは「茶のあるくらし」をビジュアルに提案する月刊誌『なごみ』2021年5月号に掲載されたものです。

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