山崎ナオコーラさん連載【未来の源氏物語】第4回「『マザコン』は悪いことではないけれど……」#3

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*イラストも筆者

平安時代の昔から現代まで、多くの人に愛されてきた『源氏物語』。

しかし、古代日本の価値観を背景に書かれた物語は、身分、見た目や性別による偏見が描かれ、

多様性を重んじる時代の価値観から見ると違和感を覚えることもあるでしょう。

そんな『源氏物語』を今の視点で楽しむには? 新たな「読み」の可能性を考えます。

 

第1回「どうやって時代を超える?」

第2回「見た目で判断していいの?」

第3回「『ロリコン』の読み方」

 

第4回

「『マザコン』は悪いことではないけれど……


「マザコン」自体は

嫌じゃない。

なら、何が気になる?

 

 

親を慕うことや、尊敬することには、元来、なんの問題もないはずです。

親がしてくれたことに感謝したり、親の行動を目標にしたりすることは美しいです。あるいは、会ったことのない親、薄い記憶しか残っていない親の姿をまぶたの裏に浮かべ、理想の人物として追い求めながら生きるのもまた素晴らしいです。

 

でも、「マザコン」という言葉に良いイメージを持てない、という人は多いのではないでしょうか?

「マザコン」は、母親好きをさして使われがちな言葉です。

「マザーコンプレックス」の略で、和製英語です。

親を慕うのは悪いことではないのに、なぜ良いイメージがなかなか付かないのでしょう?

おそらく、現代の日本にはまだ「親ではない異性に対しても『母親役』を求めるイメージ」が、「マザコン」という言葉の周りに漂っているからだと思います。

配偶者と親を同じカテゴリーに入れたり、比較したりして、「君と違って、僕のお母さんは、手の込んだ料理を作ってくれたよ」なんて言っているところを聞いたらゾッとして、「あ、この人マザコンなのかな? 嫌だな」と思ってしまいます。

でも、もし、親と配偶者を関係のない個人として分けて見ていて、「僕は母親を尊敬しているよ。でも、君は母親とはまったく別の存在なんだ」という話を聞いたならば、「この人はマザコンかもしれないけれど、全然嫌じゃないなあ。むしろ、親を大切にしているこの人に、好感が湧くなあ」と受け止める人が多いんじゃないかな、と思います。

 

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「『マザコン』は悪いことではないけれど……」♯2へ

 


このエッセイは「茶のあるくらし」をビジュアルに提案する月刊誌『なごみ』2021年4月号に掲載されたものです。

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