茶室のディテール
detail
茶事・茶会の主催者が客を招き、茶を出してもてなす茶の湯の空間。
ここでは茶室の細部に焦点をあわせてみました。どこにどんな材が使われているかを勉強してみましょう。
淡交社建築部で取り扱いがある茶室の主な部材についてご紹介します。

床の間
本床といわれる床は、床柱、落掛、床框および床畳からなり、床の間の広さは畳一帖大が基準となります。
小間の茶室の場合は、亭主の好み、また間取り等でいろいろな広さや形式がありますが、台目畳の広さが標準で天井の高さは七尺(約210センチ)以上必要となります。


床の間

1.床柱
床を構成する中心的な部材です。
床の間

2.床框
床の間の前端に取り付けられる横材です。
床の間

3.落掛
床の前面の垂壁の下端を限る留めの横材です。
床の間

4.中柱
台目構えの茶室内で、客座と点前座との間で炉の隅に立つ柱です。
床の間

5.床脇・無目
上記部材について、
FAX等により図でご指示頂ければ
寸法加工したものをお送りいたします。
水屋(水谷)
茶の湯の為の茶道具を整える場所です。住いで言えば勝手、台所にあたります。茶室の茶道口近くの場所で、広い廊下の片隅、押入等に設けられます。


水屋(水谷)

1.上通り棚
杉の一枚板で、三方向の壁で支えます。
水屋(水谷)

2. 中通り棚 /3. 下通り棚
杉の薄板の裏に桟組し、桟棚としています。棚は両脇の壁で支えます。
水屋(水谷)

2. 中通り棚 /3. 下通り棚
杉の薄板の裏に桟組し、桟棚としています。棚は両脇の壁で支えます。
水屋(水谷)

4.茶碗棚
濡れたままの茶碗を置く棚で、杉の小巾板と女竹で組み合わせてつくります。
水屋(水谷)

5.持ち送り板
下通り棚、茶碗棚を支える杉板です。香狭間(こうざま)透しがくり抜かれています。
水屋(水谷)

6.腰板
壁を水から守るための高さ一尺七寸(約51センチ)の杉の一枚板です。
水屋(水谷)

7.スノコ
銅板の流しの上に水のハネを少なくするため、白竹でスノコを設けます。
水屋(水谷)

8.カラン
銅色のメッキを施した自在水栓です。
水屋(水谷)

9.竹釘
腰板に柄杓、茶巾、茶筅を掛ける釘です。
平面図をFAX等でお送り頂ければ、
水屋の場所と寸法を相談させて頂いて
、腰板、棚、スノコの寸法加工をして
お送りいたします。
釘
- 釘の位置は、床の間の形式により変化いたします。以下の図はあくまでも目安としてご覧ください。


釘

1.軸釘
掛物を掛けるための釘。
釘

2.花釘
床柱に打つ掛け花入れ用の釘。
釘

3.中釘
別名無双釘。床の間奥の壁の中央に打つ釘。
釘

4.柳釘
結び柳を入れる青竹の花入れを掛ける釘です。
釘

5.花蛭釘
床の間の天井に打つ釣花生け用の釘。
上記部材について
、FAX等により床の間の図を
お送り頂ければ、釘をお送りする時に
施工方法と釘を打つ位置を
ご案内いたします。
にじり口
小間茶室の客の出入り口。人一人がにじってようやく入れるだけの小さな入り口です。


にじり口

1.杉板戸
にじり口

2.挟み敷居
にじり口

3.挟み鴨居
ご要望にあわせて、上記
にじり口の部材をお送りいたします。
詳しくはお問い合わせください。
炉
炉を切る位置は、使用目的や間取りによって変化いたします。詳しくは下記にご相談ください。


炉

1.本炉壇
杉・檜の古材で木枠をつくり、その上に竹を編み、荒壁の下塗り・中塗りをした上に稲荷土で仕上げたものです。
炉

2.銅板炉壇
お稽古用に向いています。
炉

3.釜蛭釘
釣釜を掛けるために天井に取り付ける釘です。
住いの平面図をFAX等により
お送り頂ければ、炉を切る位置を
使用目的等ご相談の上
決めさせていただきます。
また、炉壇をお送りする時に炉壇の
施工方法もご案内いたします。
腰貼り
衣服と壁の両方を保護するのが本来の目的ですが、意匠上の効果もあります。


腰貼り

1.西の内紙
広間・小間の点前座に貼る白い紙で、質はやや粗く強い楮製の腰紙です。
腰貼り

2.湊紙
小間の客座・水谷に貼る濃紺の紙です。楮に染料を加えて漉いた、質はやや粗く強い腰紙です
平面図をFAX等でお送り頂ければ、
紙の貼る位置と種類・貼り方を、
腰紙と糊をお送りする際に
ご案内いたします。